2011年6月6日月曜日

青森県知事選:原発推進派勝利「誰がやっても無くなんね」

 青森県知事選が5日投開票され、原発推進派の現職候補が3選を果たした。数多くの原発関連施設が立地する下北半島の民家で、かつて反対運動にかかわったという50代の男性が話した。「出稼ぎしねぐていぐなったのも原発さあっからだ。しょうがねがったんだ」。食卓で原発の関連企業で働く30代の長男と2人、口をそろえた。「誰がやっても、原発は無くなんね」【浅野翔太郎】

 福島第1原発の事故を受け、原発の安全性に懸念が広がった。青森県内でも関心は高く、Jパワー(電源開発)が原発を建設中の大間町で先月21、22日にあった「反原発ロックフェスティバル」は約450人を集めた。去年の約4倍の観客数だった。

 知事選で当選を果たした現職の三村申吾氏(55)は「県独自の安全検証委設置」を公約に掲げた。しかし、原発の新規建設の是非には踏み込まず、争点化を避けた。他の2候補は「脱原発」「新規建設凍結」をそれぞれ唱えた。三村氏との違いを鮮明にする戦術でもあったが、支持は広げられなかった。

 下北半島は使用済み核燃料再処理工場や稼働中の原発を抱え、原発4基の建設や設置計画が進んでいる。県内自治体の電源三法交付金の依存度も高い。下北半島を中心に85年、約6万人いた出稼ぎ労働者は08年、約8800人に減った。

 東通村に住む女性(58)は声をひそめて話した。「職場でもね、『不安だ』って話はよくするのよ。でも、それ以上は言えないの」。東北電力東通原発がある東通村では、いま、東京電力と東北電力が計3基の原発の新設を進めている。

 この女性は福島第1原発の事故の報道に触れるたび、東電が村に来た約10年前を思い出すという。

 村では当時、原発の視察旅行が頻繁にあった。同行したのは村職員と東電の社員。「半分は観光だった」が、費用を払った記憶はない。集落や団体単位で人数が割り当てられ、女性も宮城や福井県への旅行に行った。

 原発で事故が起きた時の避難先や避難生活の方法を、「自治体や事業者から示されたことはない」と女性は話す。福島第1原発の事故を受けた、この知事選でも、各候補から明確な方針は示されなかった。「知りたいのは原発の凍結か継続かじゃない。何か起きたら、どうするかなのに」。ため息をついた。


毎日新聞 2011年6月5日 21時37分 (引用)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110606k0000m010102000c.html


毎年冬になると、東北の人は仕事を探して出稼ぎに行かなければならなかった。
家族を養うために、はなればなれになって暮らさなくてはならない。
また、はなればなれになってしまうことによる弊害もある。

特に最近は、不景気による失業率の高さも重なり、出稼ぎ先を探すことさえも一苦労だ。
世の中が不景気になると、若い女性の風俗業への就職率や中・高齢者の自殺率が高くなる。

過疎地域でも収入が得られる雇用の創出や、少子化に歯止めをかけることも原発問題と絡めて考えていかなければならないのである。
ただ、どれだけ深刻な問題であっても、我々に解決できないことは無い筈だ。
最後まで諦めずに明るい社会を築きあげていきたい。



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