グリーンピース・インターナショナル事務局長らが福島市を訪問
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは6月9日、福島県福島市を訪れていたグリーンピース・インターナショナルの事務局長クミ・ナイドゥらが日本外国特派員協会(FCCJ)で会見を行い、子供たちの生活の場となる公園や通学路・通園路でも依然として高い放射線量が計測されていることを指摘し、妊婦や子どもたちを避難させる必要があると訴えました。
東日本大震災と福島第1原子力発電所の事故から3カ月を前に、グリーンピースは福島県南相馬市や福島市を訪問し、同行したグリーンピースの放射線安全アドバイザーが、6月7日に福島市中心部で放射線量を測定(注1)したところ、子どもたちの遊ぶ公園など公共の場所などで、1時間当たり9マイクロシーベルトを上回る数値を計測しました。
また、1時間当たり最大45マイクロシーベルトと放射線量が高い「ホットスポット」が、子供たちの通学路・通園路や中学校でも測定されました。さらに、除染作業が済んだ後の保育施設でさえも、依然として1時間当たり0.5マイクロシーベルトという値でした(注2)。
グリーンピース・インターナショナル事務局長クミ・ナイドゥは、「除染作業は必要なことですが、残念ながら現状では不十分だと言わざるをえません。子どもたちの通学路・通園路のすぐそばでもホットスポットが見つかりました。国も県も、放射線のリスクをきちんと説明していないため、マスクもつけずに遊んでいる子どもたちもいます」と訴え、妊娠中の女性や子どもたちの避難の必要を訴えました。
同行したグリーンピース・ジャパンの核・エネルギー問題担当の鈴木かずえは、「一般の人々に対して、ほこりや食品を通しての内部被ばくリスクについて明確なアドバイスが必要です。また、原子力は決して安全ではなく、安いエネルギーでもありません。既存の原子力発電所を段階的に廃止し、災害に強い分散型の自然エネルギーへの転換が必要です」と訴えました。
グリーンピースは、日本政府に以下を求めます。
1. 市民の健康を第一に考えること。高線量地域に住む妊婦、乳幼児、子どもについて、すみやかな避難の経済的支援、その他の必要な支援を行い、適切な除染を行うこと。
2. 放射線を年間1ミリシーベルト以上浴びるリスクについて、市民に適切な説明をすること。さらに、より脆弱な子どもや妊婦については、1ミリシーベルト以下についても、リスクを説明すること。
3. 人々、とくに子どもの内部・外部被ばく量積算について調べ、その結果を市民に提供すること。
注1)放射線測定には携帯用ガンマ線スペクトロメーター(Georadis社製RT-30)使用。数値データは地表付近で測定。
注2)保育施設において、除染後でも1時間当たり0.5マイクロシーベルト、つまり1年の積算量にすると5ミリシーベルト近くになり、1986年のチェルノブイリ事故後の避難目安値と同等となる。
お問い合わせ:国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
http://www.greenpeace.org/japan/ja/library/video/fukushima4/
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