仙台市が被災した東部沿岸地域の集団移転を検討していることを受け、津波流失を免れた自宅の再建を考えている被災者が戸惑っている。改修で住めるようになる家は少なくないものの、移転の可否などが決まらず、工事に踏み切れないでいる。
「直しても、後でここに住めないと言われたらたまらない」。津波被害が出た若林区三本塚地区の主婦柴崎弘子さん(56)は、柱がむき出しになった自宅でため息交じりに語った。
同地区は5月末に市が公表した復興ビジョンの居住対策区分=図=で(2)「集団移転や居住地の集約化などにより防災対策を図る地区」とされた。
全壊と判定された木造2階の家屋は床上1メートル以上浸水したが、幸い倒れなかった。現在は泥まみれの内壁や床板を取り外した状態だが、改修には踏み出せないでいる。移転が決まる前の工事は「大きな賭け」になるからだ。
現行の被災者生活再建支援法では、全壊世帯に最大300万円が支給される。ただ、支給は建て直しか補修のどちらかで1回のみ。「自宅ローンも残る。修繕で済ませられれば残りたいのが本音」と柴崎さん。「移転した場合、自宅建築の支援がどうなるのか示してほしい」と訴える。
宮城野区では県道塩釜亘理線を境に東側は、区分で(1)「集団移転などにより生活の安全を確保する地区」とされた。ただ、東側でも県道寄りの和田、南蒲生両地区などでは、倒壊を免れて居住する住民が少なくない。
南蒲生地区に住む会社員小林賢造さん(67)は自宅1階が水没し、現在は2階で寝泊まりする。判定は全壊。家屋の壁はあちこちで破れ、ベニヤ板による補強が目立つ。
「今のままでは耐震性に不安がある。できるなら早急に修繕を頼みたい」と小林さん。だが、移転のハードルが残る。「移転に伴う新たな負担には耐えられない。市は県道で一律に線引きをせず、集落ごとの状況を見て対応してほしい」と残留を望む。
市は8月にも公表する復興計画の中間案で、移転の考え方や宅地の救済策を盛り込む考え。ただ、東北大に依頼した津波時の浸水シミュレーションや国の2次補正予算といった、科学的、財政的な裏付けがないと進められないのが実情だ。
市震災復興室は「減災の観点から、シミュレーションが出ないことには地区別の明確な提案は難しい」と説明する。
住民からは「梅雨を控え、このままの状態にできない」と速やかな対応を求める声が強まるが、市は「前提がそろえば市のスタンスを示したい。移転可能性がある地区の家屋の改修はそれまで待ってほしい」(震災復興室)と理解を求める。
河北新報社 2011年06月20日 (引用)
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/06/20110620t13017.htm
以下の動画を見て欲しい。
まだまだ断層が動いている現状では、今後起こりえる余震に耐えられるのかが疑問だ。
これからも長く住むつもりでいるのであれば、せめてプレートがくっついて、地震が収まるまでは待つのが良いと思う。
今後の地震対策を検証 原発と活断層の関係
http://www.projectipti.com/2011/06/blog-post_6559.html
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