2011年6月20日月曜日

福島第1原発:欧州委員「やはり人災」と厳しい安全性検査

 【ブリュッセル斎藤義彦】欧州連合(EU)で原発を担当するエッティンガー欧州委員(閣僚)が毎日新聞と会見し、福島原発事故は「自然だけでなく人によっても起こされた人災」と強調した。同委員は事故直後に「原発は制御不能」と発言、欧米株式市場の急落を招いて批判を浴びたが、結果的に“正当性”が証明された格好。同委員は「事故の教訓を得ないのは誤り」とし、EUでは厳しい安全性検査を新設の原発にも適用する考えを示した。

 同委員は3月16日、欧州議会で「(福島原発が)大惨事で制御不能に陥っている。最悪の事態が来る可能性も排除できない」と指摘。事故に世界的な不安感が高まるなかでの発言だけに、同日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均の下げ幅が一時299ドル超に。世界同時株安の影響を受けていた欧州市場でも、この発言がさらに下げ幅を高めた。国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長も発言に対し、「『制御不能』などと言うべき時ではない」と苦言を呈していた。

 インタビューに応じた同委員はこの発言について、「惨事の後に危険があった」と改めて強調。「日本は首都圏の3500万人以上をどこかに避難させることはできない」ことも理由に挙げた。

 また、事故後「被害を最小に抑える技術がなかっただけでなく、実施可能な技術も適用されなかった」と批判し、「人災」と断じた。その上で「教訓を学び惨事を最小化する計画を立てないのは誤りだ」と話した。

 教訓の具体例として、EU加盟国の原発143基を対象に1日から始まった厳しい安全検査を挙げた。冷却機能の喪失のほか高温、飛行機の墜落、付近のタンカーの爆発も想定したもので、現存の原発だけでなく新原発にも適用すると述べた。

 同委員は脱原発を決めたドイツの現政権与党出身。ドイツの決定について、EUが20年までに電力の20%を再生可能エネルギーにする戦略への「ステップ」と語った。


毎日新聞 2011年6月20日 2時30分(引用)
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110620k0000m030105000c.html


このインタビューに応じたエッティンガー欧州委員は、以前に今回影響を受けた世界中の人にも日本の原発を止めさせる権利があると主張している。
日本の国民の要望は受け入れて貰えなくとも、海外からの圧力には弱い日本。
玄海やもんじゅの稼動再開を阻止するのは案外欧州の人かもしれない。

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