2011年6月8日水曜日

村上ファンド事件:村上元代表の有罪確定へ 最高裁決定

 ライブドア(LD、現LDH)のニッポン放送株取得を巡るインサイダー取引事件で、旧証券取引法違反に問われた村上ファンド元代表、村上世彰(よしあき)被告(51)と同ファンドの運営会社「MACアセットマネジメント」(東京都港区)に対し、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は6日付で、上告を棄却する決定を出した。元代表に懲役2年、執行猶予3年、罰金300万円、追徴金約11億4900万円▽MAC社に罰金2億円を言い渡した2審判決(09年2月)が確定する。

 1、2審と同様、「違法性の認識はなかった」などと無罪を主張した元代表に対し、小法廷は「上告理由に当たらない」と退けた。さらに、同放送株取得の情報がインサイダー取引のもとになる「重要事実」にあたるかの判断基準が1、2審で分かれた点について職権で判断。具体的な実現可能性の高低は問わず、LDが大量に買い付けることを決めたとの情報で足りるとして、「相応の実現可能性が必要」と高い基準を設けた2審判断を修正した。

 1、2審判決によると、村上元代表は04年11月、LDの堀江貴文元社長(38)=別の同法違反事件で実刑確定=らから、ニッポン放送株の大量取得方針を決めたとの情報を得て、公表前の05年1月までに計約193万株を約99億円で購入し、高値で売り抜け、約30億円の利益を得た。

 1審の東京地裁判決(07年7月)は「(投資の)プロの犯罪。買い付け額も巨額で、強い非難に値する」として懲役2年、罰金300万円、追徴金約11億4900万円の実刑としたが、2審の東京高裁は「インサイダー情報に該当するとの認識が強いものではなかった。株取引からも身を引いている」などとして1審判決を破棄、執行猶予付きの判決を言い渡していた。【伊藤一郎】


※村上ファンド元代表の村上世彰被告=東京・霞が関で2007年7月19日、兵藤公治撮影



0 件のコメント: