東京電力は14日、福島第1原発の集中廃棄物処理施設で機材の運搬をしていた60代の男性作業員が体調不良を訴えた後、意識不明となり、病院に運ばれたが死亡が確認されたと発表した。男性にけがなどはなく、原因は不明という。
事故の収束に向けた一連の作業中に死者が出たのは初めて。
東電などによると、男性は協力企業の下請け作業員。被ばく線量は0・17ミリシーベルトで、放射性物質の付着はなかった。別の1人と処理施設内で機材を運んでいた同日午前6時50分ごろに体調不良となり、7時すぎに医務室に運び込まれた時点で意識がなかった。その後、救急車で福島県いわき市内の病院に搬送されたが心肺停止状態で、午前9時33分に死亡が確認された。
男性は13日から原発での作業に従事。14日は午前6時から作業衣の上に防護服と全面マスク、手袋などをして勤務していた。
別の1人の体調に異常はないという。
福島第1原発の作業では、防護服を着用するため水分補給がしにくく、トイレにも行きにくいなどの声があるほか、ストレスを抱える人も多く、環境改善の必要性が指摘されている。
東電は今月4日、レトルト食品が中心だった食事を弁当中心に変えることやシャワーの設置、産業医の常駐などを内容とする改善策を発表。第1、第2両原発の作業員がベッドで寝泊まりできるプレハブの仮設寮の建設も決まっている。
共同通信 2011/05/14 13:12 (引用)
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051401000358.html
因みに記事中の「被ばく線量は0.17ミリシーベルト」という値は、体調不良を訴えた今朝(当日)の線量であって、作業を開始してからの累積値は、公表されていない。
その後、いわき市立総合磐城共立病院の小山敦救命救急センター長は、男性の死因について現時点では「不明」としながらも、「内部被ばくの可能性は考えにくい」との所見を示した。
みんなのための作業中にお亡くなりになった方のご冥福をお祈りいたします。
追記
日本の商業原発では2002年度の1年間に作業員が浴びた線量の平均値は1.3ミリシーベルト、最も多く被ばくした作業員は19.7ミリシーベルトだったが、この作業員が作業に関わる以前の累積被曝量は、一体どれ程あったのであろうか。そして作業を開始してからの累積値も不明のままだ。
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