中部電力は15日、原子炉を停止した浜岡原発(静岡県御前崎市)5号機で14日、水蒸気を真水に戻す「復水器」に約400トンの海水が混入し、原子炉にも流れ込むトラブルがあったと発表した。公表は発生の約19時間後だった。中部電は「放射性物質の漏えいはなく、法律に基づく公表基準にあたらないと判断した」(広報担当者)と説明している。
復水器は、原子炉の水蒸気を海水が流れる細管(直径約3センチ)で冷やす装置。中部電によると、トラブルは、この細管の破断が原因である可能性が高いという。
5号機は14日午後1時に原子炉を停止。その3時間半後、冷却水の不純物濃度が急上昇しトラブルが分かったが、発表は翌15日午前11時45分だった。
中部電はトラブルの約3時間後、別の注水ポンプを使って真水で原子炉の冷却を続け、15日正午すぎ、冷却水温が100度未満となる「冷温停止」状態になった。海水が原子炉に入ると内部の腐食が進むため、中部電は脱塩作業を進めている。
浜岡原発は1~2号機が廃炉に向けた準備中で、3号機は定期点検中。4号機も13日に停止され、全面停止となった。【仲田力行】
毎日新聞 2011/5/15 21:40 (引用)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110516k0000m040106000c.html
復水器というのは、タービンを通過して放射性物質を含んだ水蒸気を水に戻すための装置で、浜岡原発に限らず全ての原発にある。また復水器は、海水と細いパイプで熱交換をするが、そのパイプは熱効率を上げるために肉厚が薄く、耐用年数も短く、穴があきそこから放射能が漏れて海に流れるのが通常のパターンらしい。
世界中が原発の安全性について固唾を呑んで見守る中、普通は何かあったらすぐに報告だと思うが、それをいつもの通り「法律に基づく公表基準にあたらないと判断した」とは「都合の悪いことは何が何でも隠したい」という企業の姿勢がとても良く分かるニュースだ。
こういう些細なことがきっかけとなって、大きな事故につながるというのが従来のパターンであるが、もしも万が一にも今回の件が放射能汚染を引き起こす大事故となってしまった場合には、「菅首相からの指示」という想定外によるものだから、と中電は免責を求めるのであろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿