共産党北海道委員会は26日、北海道電力泊原発(北海道泊村)3号機のプルサーマル計画を巡り、08年10月に実施されたシンポジウム(道主催)で計画推進の意見を述べるよう、北電が社員に電子メールを送っていたと発表した。九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働を巡る「やらせメール」と同様の問題で、同委は「悪質で卑劣。道民を冒とくしている」と批判している。
同委によると、メールはシンポの9日前の同3日、北電泊原子力事務所渉外課が送信。「『プルサーマル計画に関する公開シンポジウム』への参加協力について」と題し、「計画を確実に進めるため、数多くの方にご参加いただき推進意見を提出していただければと思っております」と記されている。送信記録では、社内の21部署に送られた。
シンポは泊村に近い岩内町を主会場に開かれ、聴衆計469人が参加。有識者による講演やパネルディスカッション、質疑があった。参加した共産党の大田勤同町議は「9人が質問したが疑問や反対の内容が多く、賛成の立場は1人か2人。参加者の大半は反対だった」と話す。
一方、237人が回答した終了後のアンケートでは、「疑問を十分取り上げられたか」との問いに、51%が「そう感じる」か「だいたい、そう感じる」と答えた。「計画への理解は深まったか」には55%が「深まった」か「だいたい深まった」と回答。大田町議は「会場の雰囲気と違い、変だなと思った」と話した。
議論の内容は道の有識者検討会議に反映され、高橋はるみ知事は09年3月、計画の容認を表明した。北電広報部は「社内調査し、事実確認したうえで対応したい」とコメント。道の寺山朗危機管理監は「事実関係を調査中」と話した。
北電は九電問題を受けた経済産業省の調査に対し、今回の2カ月前に国が泊村で開いたシンポでは「問題ない」と報告していた。
【高山純二、田中裕之、坂井友子、吉井理記】
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