2011年8月18日木曜日

山本太郎「職業は脱原発」国民運動訴え

 俳優山本太郎(36)が17日、東京・千代田区の衆議院議員会館で福島第1原発事故で避難している子どもたちが政府に現状を訴える集会に駆けつけた。山本は「メーンの仕事は脱原発。どこかに属さず、フレキシブルに動いてエネルギー交換したい」と、脱原発を国民運動にしたいと訴えた。また脱原発依存を訴えている菅直人首相(64)について「今、辞めないでくれと言いたい」とも話した。

 福島第1原発の事故で避難生活を強いられている福島の子どもたちが、「(放射能を)なぜ早く除染してくれなかったんですか?」「集団疎開は?」と必死に政府の原子力対策本部と文部科学省の担当者に問いかけた。担当者が回答にならないような返答を繰り返すのを見て、山本はあきれ、憤っていた。

 「残念の一言に尽きる。ここにいらっしゃる人(担当者)は決定権がない。除染をしたからって毎日フレッシュなもの(放射能)が届いてる。お金がかかるだけ。やってるフリはいらない。20、30年で日本が終わる政策をしている。勇気を出してみんなで戦っていきませんか」と力説した。

 集会を主催した「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」は(1)学校の校舎、校庭の利用基準として文科省が定めた放射線量年間20ミリシーベルト撤回(2)計画的避難区域外の自主避難している人への賠償の必要性(3)住民票を福島に残した上でコミュニティーが一時避難する「サテライト疎開」を訴えている。

 山本は「政治で変えられるなら、とっくに動いてる。国民1人1人が本気になって戦って、うねりにするしかない」と政治への失望と市民運動の重要性を強調した。そして「小さいときから自由。市民運動の中で、どこにも属することなくフレキシブルに動くことで、いろいろなことができる」とフリーで活動を続け、同じ方向性で活動するさまざまな団体と意見交換していく考えという。

 菅首相については「政治家の中で責任のある方は、脱原発を口にすることも許されなかった。それが口にした次の日に、『個人的な意見』とトーンダウンするくらい周りからプレッシャーがかかったのだろう」と一定の理解を示した。その上で「(首相が)誰かに代わったら、破滅的な方向に進むしかなくなる。誰も手を挙げたくないポジションだろうけど、周りが何と言おうと粘って人としてやれることをやってほしい」と訴えた。

 山本自身は「早く普通の生活に戻りたい」というのが本音だという。「子どもがほしいなぁ。でも子どもに残せる将来がない。大好きなのに、本当に悔しい。産んでくれる人もいないというのもあるけど」と自嘲気味に笑った。【村上幸将】


nikkansports.com 2011年8月18日8時51分(引用)
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20110818-821771.html

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