◇経営圧迫と園側悲鳴
柏市私立幼稚園協会の溜川良次(ためかわよしつぐ)会長によると、夏休み前に協会役員から「2学期はきれいな環境で保育したい」と意見が出た。徹底した除染には数百万円単位の費用がかかるため、臨時役員会で協力金として「園児1人につき1万円」の負担を求め、強制しない方針を確認。各園から保護者に出す手紙のひな型を協会が作成し、保護者に「協力金に同意する」「同意しない」の意思表示を求めることにした。
毎日新聞が協会加盟の全33園に取材すると、27園は「負担を求めない」と回答。4園は「ノーコメント」「答えられる者がいない」、1園は「検討中」だった。溜川会長は自ら経営する園について「3000円程度お願いしたい」と話した。
「ノーコメント」のうち1園は、9月に依頼の手紙を出していた。保護者らは「きょうだい2人が通う家は2万円の負担。でも自分だけ拒否できない」「園も私たちも被害者なのに納得できない。東電が払うのが当然」と不満を漏らす。
柏市の除染費用補助は1園当たり上限20万円。残り全額を自己負担する27園は「保護者と一緒に除染した。費用まで請求できない」「カンパの申し出も、すべて断った。矛先を保護者に求めるべきではない」と話す。「東電相手に裁判を起こす費用もなく、泣き寝入り状態。余裕のない園が保護者に協力を求めたことは理解できる」と同情的な意見も多かった。
東電千葉補償相談センターは「国の原子力損害賠償紛争審査会の中間指針では補償対象外。審査会の今後の議論を踏まえて対応したい」としている。【早川健人】
毎日新聞 2011/09/17 (引用)
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20110917ddlk12040172000c.html
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