2011年11月16日水曜日

放射性物質、海に半分以上 約10日で地球一周、気象研


 3月20日、福島第1原発から出た放射性物質が太平洋を横断し拡散するシミュレーション図(気象研究所の田中泰宙・主任研究官提供)


   東京電力福島第1原発事故で大気中に放出された放射性物質は太平洋を横断して約10日でほぼ地球を一周し、その結果として半分以上が海洋に落下したとするシミュレーション結果を、気象庁気象研究所(茨城県つくば市)などの研究チームが16日までにまとめた。

放射性物質のうち、特に放射性セシウムは4月までに70~80%が海に落ち、陸地に降ったセシウムは3割程度と推定されるという。

チームの田中泰宙・気象研主任研究官は「福島原発は日本の東の端にあり、3~4月は偏西風で運ばれるため陸地に落ちる量は少なめで済んだ。しかし海洋はその分、汚染されたはずだ」としている。

47NEWS 2011/11/16 (引用)
http://www.47news.jp/CN/201111/CN2011111601000947.html

2011年11月15日火曜日

事故直後「瞬時に靴溶けた」 福島第一作業員が証言


作業員たちは中央操作室に残り、通勤用の車などからバッテリーを集めて計器の機能回復を図った


ベントで原子炉建屋に入ったら、瞬時に靴の裏が溶けた--。東京電力福島第一原子力発電所の事故発生直後、対応に当たった作業員の証言の一端が明らかになった。

現場作業員の詳細な証言が公になるのは初めて。証言では余震に伴う退避や水たまりでの作業による感電への恐怖なども語られ、厳しい状況の中で復旧作業が行われたことが浮き彫りになった。

東京電力の相澤善吾副社長・原子力・立地本部長が4日、東京大学で開かれた「第3回東大エネルギー・環境シンポジウム」で紹介した。

福島第一原子力発電所は津波により交流・直流電源をすべて喪失。中央操作室は照明が落ち、原子炉水位なども監視できなくなった。

当時の状況について、作業員は「電源を失って何もできなくなったと感じた」と証言。電源を失い、放射線量も上昇する中で「中央操作室に残る意味について、運転員の間で激しい議論になったが、現場に残った」という。

原子炉に注水できなくなったことで、東電は代替注水を始めたが、現場はなおも大きな余震が続いていた。作業員は「大きな余震のたびに全面マスクを着用のまま、高台に死にものぐるいで走って逃げた」と振り返っている。

津波で現場が水浸しになったことも、復旧作業を難しくさせた。「屋外には水たまりがあり、夜のケーブル敷設作業では感電の恐怖があった」という。

1~3号機で試みられた格納容器ベントの現場状況も明らかになった。通常であれば、ベントは中央操作室からの操作が可能だが、当時の福島第一原子力発電所は電源を失っていたため、作業員が現場に赴いて弁を動かす必要に迫られた。

だが、原子炉内は燃料露出により高温にさらされていた。「ベントのため、原子炉建屋に入り、トーラス(足場)に足をかけたところ、瞬時に靴の裏がずるっと溶けた」という作業員の証言は、その異常さを物語っている。

原子炉建屋内は温度だけでなく、放射線量も極めて高かった。東電は被ばくの危険性を考慮し、年齢が上の作業員が現場作業を行うなどの措置を講じていた。 (本紙1面より)

電気新聞 2011/11/14 (引用)
http://www.shimbun.denki.or.jp/news/main/20111114_01.html

「原発爆発の瞬間映像はどう伝えられたか」報道パニック



福島のテレビが水素爆発の映像を流さなかった驚くべき理由

福島中央テレビが、原発の爆発映像を流さなかった理由を、どうしたことか、今頃になって訴えています。
福島のテレビは、確かに情報をコントロールしていたことを認めています。















福島中央テレビが情報抑制!
詭弁を弄してばかりの思考停止メディア


3月12日の1号機の爆発に続いて、東北だけでなく、関東以西、そして世界中をも被曝させた14日の3号機の核爆発について、福島のメディア、特にテレビが報道規制をかけて住民に十分知らせず、避難の機会を奪ったのではないか、という記事を書きました。

その根拠は、福島第一原発の一連の爆発以降、管理人の元に寄せられた福島県の避難者の方々からの複数のメールです。

すべてのメールに、「テレビを点けても、原発が爆発した映像は一切流されていなかったので、なにごともないと思って避難しなかった」という内容です。

これが事実なら、福島のテレビは組織的に重大な犯罪を犯したことになり、刑事処分は不可避。関係者には刑事罰を与える必要があります。

私が福島県の避難者からいただいたメールなど、ごく一部です。
ネット上では、福島県から逃げてきた複数の人たちが、ツイッターや、ブログで、「福島のテレビは、一切情報を流さなかった」と書いています。

そして、それは事実でした。

そうした“状況証拠”を基にして、
福島のテレビが3.11以降映し続けたものは
の記事を書いたのです。

福島中央テレビは、何を思ったのか、こうした火消しビデオを11月9日になってから、youtubeにアップしました。
いかにも情緒面に訴えて、本質から視聴者の目をそらすようなテクニックを使っています。

毎度、毎度、うんざりするほど、テレビの稚拙な手法に付き合わされる。

この動画は、明らかに福島テレビの関係者が制作したものでしょう。
彼らの狙いとは逆に、批判がたくさん出てくれば、自分たちで、こっそり削除するはずです。
いつものことです。
3月12日の1号機水素爆発では、女子アナが、

「さきほど1分前(3時40分)、福島第一原発1号機から大きな煙が出ました。
大きな煙が出まして、そのまま、えー、その煙が北へ向かって流れているのが分るでしょうか」。

と伝えています。

「煙が北へ向かって流れている」と、しっかり報じていたのです。
つまり、「放射性物質の雲が、ひょっとしたら飯館村方面へ流れていくかも知れないことを予測していた」、と言外に含めているのです。

この女子アナは、ただパニック状態の中で伝えるだけですから、何も分っていません。
しかし、少なくとも報道局では、「放射能の雲が北の方角へ流れていく」…その認識はしっかりあったことになります。

途中、不思議なナレーションが入っています。
(2分37秒から)

「あの映像(福島中央テレビが爆発の瞬間を映したもの)がなかったら、放射能の拡散を、私たちは、どれだけ実感できたでしょう?
そして、政府の発表は、どれだけ遅れたのか。

私たちは、あらためて映像の力を思い知りました」。


これは狂ってしまっています。

「福島中央テレビのカメラのお陰だ」といわんばかりです。
福島中央テレビが、この映像を流さなかったら、政府の対応はもっとも遅れたはずだし、日本の人たちは、もっと被曝しただろう、といっているのです。

流さなかったら、犯罪でしょうに。

福島のメディアは、極悪知事同様、どこまで傲慢なのでしょう。
本当に呆れ果てている。
福島中央テレビのみなさんのウルトラ勘違いは、歴史に残るでしょう。

佐藤雄平を張本人として、世界中の人々を被曝させた片棒を担いでいるというのに、まったく非常識極まりない人間たちです。

もう、この人たちは人間としてダメでしょう。常識的な判断さえできないのですから。

福島中央テレビ報道部長、小林典子は、こう言っています。

「世界を駆け巡ることになった、この映像は、福島の人々の、それまであった平穏な暮らしを一瞬にして変えてしまった瞬間の映像ともなりました。

それだけに私たちは、被災した人たちの気持ちを考えて、この映像の使用を必要最小限にしようと決めました。

しかし、それがかえってインターネット上などでは、なんらかの圧力があって、放送しないのではと憶測を生むなど、映像と情報を伝えるさまざまな側面を考えさせられる、特別な映像ともなりました」。


この報道部長は、いったい何を言っているのでしょう。
これが緊張感の薄いローカルとはいえ、報道に携わる人間の態度とは。
もう、あきれ返ってものが言えなくなります。

しっかり、「映像の使用を最小限にした」と“自白”しているのです。

何日もの間、福島県の人たちには情報がありませんでした。
そうした現状を見て知っているはずなのに、「被災した人たちの気持ちを考えて」と言っています。

被災した人たちすべてが、「福島県には情報がなかった」と言っているのです。
「福島県のメディアが情報を意図的に流さなかった」せいで、福島県の人たちが致命的な被曝をさせられたことは事実なのです。

報道部長の小林典子は、「インターネット上で憶測が飛んでいた」といっています。

これは憶測ではなく、被災者たちからの証言によって、多くのブロガーさんが、あるいは、福島県で被曝してしまったご本人たちが、自らのブログで「福島県は情報統制している」と書いているのです。

福島のメディアが情報をコントロールしていることは100%事実なのです。

3月14日以降、東京キー局の頭のかる~い女子アナたちが、「ネットの情報はデマですから信じないように。政府の情報だけが正しいです」と大声を張り上げて叫んでいたのと同じです。

その「政府の情報」を信じた人たちは、無用な被曝をさせられました。
さらに高濃度放射能汚染された野菜を食べてしまいました。

大勢の赤ちゃん、子供が被曝しました。それは日本だけではありません。

これは、電波芸人特有の病気です。事実を受け止めることができない、という。
彼らは、とても哀れです。

この福島中央テレビ報道部長は、「インターネットで憶測を呼んでいるような、何らかの圧力などなかった」と言っているのですが、それならもっと悪質です。

福島のテレビは、日本全国民、少なくとも、東北、関東の人たちから避難の機会を奪い取ったことは事実だからです。

東電は、世界中のメディアで「犯罪企業」と書かれています。

(私の表現は、これでも優しいほうです。海外のメディアはもっと辛辣)

そう言われても、仕方のないことです。
遠くアメリカの人々にも放射性プルームは襲いかかり、彼らも肺にホットパーティクルを吸い込んでしまったのですから。

そして、今度は、福島のメディア、特に福島のテレビが「犯罪メディア」と書きたてられる番でしょう。

「被災した人たちの気持ちを考えて」などと、この期に及んで福島県の被災者を、自分たちの犯した犯罪的行為のイクスキューズに利用するのは止めなさい。

世界中に謝罪することです。表現方法はいくらでもあります。
チャンスを逃すと手遅れになる。

それでも、こうした連中は何もしないでしょうね。
あなた方の見識、情報に対する取り組み方・構え方では、最初から報道などやってはいけないのです。

人々を死に追いやり、不幸な人たちを大量に作り出すだけですから。
Urban Prepper 2011/11/14 (引用)
http://prepper.blog.fc2.com/blog-entry-67.html

2011年11月14日月曜日

幸福の定義

『幸福への挑戦 サイコ・サイバネティクス』(マクスウェル・マルツ)より

ジョン・A・シンドラー博士の幸福の定義は、「思考のほとんどが常に快適でありうるような心の状態」である。

「幸福は心の状態」というのは異論のないところでしょう。
「幸福とは、幸福感を伴う心の状態」のような、幸福感という“感情”に主眼を置く考え方が多いと思います。
“思考”に主眼を置いたシンドラー博士の定義は、私にとってはとても興味深いものです。

『幸せとは、楽しい考え方が心を占めている状態、を言う』
という訳のほうがわかりやすいと思います。

人の心の二大要素は、“感情”と“思考”でしょう。
感情は思考に左右されます。その時に考えていることによって感情が変わります。幸せなことを考えれば幸せな気もちになり、不幸なことを考えれば不幸な気もちになります。
思考は感情に左右されます。その時の感情によって思考が左右されます。幸せな気もちの時には幸せになる考え方をしやすく、不幸な気もちの時には不幸になる考え方をしやすくなります。
そういう意味では、幸せな感情と幸せな思考は共存するものであり、そういう心の状態が“幸福”であると言えるのでしょう。

感情を直接コントロールすることはできないでしょう。
思考はコントロールできます。
何らかの行動をすることで感情を変えることはできますが、その前に「○○しよう」のような思考によって行動は起こります。
ビジュアルや音楽などをイメージすることで感情を変えることもできますが、それも(イメージ)思考と言えるでしょう。

心をコントロールするためには、まず思考を変えることからです。
幸せになりたいのなら、考え方を変えることからだと私は考えています。
そして、最終的には幸福感として感じられることが大事なのです。

「幸福は、感じるもの」
「自分が幸福感を感じられるものは、すべて自分の幸福」
とも言えるでしょう。

『幸福とは、そのまま変わらないで欲しいような、
そのような状態である』 フォントネル

「幸福は、人間の理想の状態であり、すべての人が心の中で求めているもの」だと思います。
それを明確な目標として努力することを、私はおすすめします。
幸せになろうと努力する人のために、少しでもお役に立てれば、幸いだと思っております。


幸福の定義 2005/10/21 (引用)
http://www.shiawasehp.net/diary/200510/21.html

「まず除染」大合唱の陰でホンネを言えなくなった飯舘村の“移住希望”村民

除染か避難か――。東京電力・福島第一原発事故によって放射能汚染された市町村で住民同士の対立が起きている。

除染費用は巨額だ。国が2012年度までに計上した除染費用は計1兆1400億円。だが、ある経済産業省職員が首を振る。

「1兆1400億円という数字はこれから数十年かかる除染の費用のごく一部。しかも、細野豪志環境相・原発事故担当相が除染対象地域を年間追加被曝線量5ミリシーベルト以上から1ミリシーベルト以上に引き下げたため、除染作業で出てくる汚染土も当初の試算の2倍、5600万に膨らむ。これは東京ドーム約45杯分です。この汚染土を長期保管する中間貯蔵施設の建設・維持費も含めると、除染費用はおそらく数十兆円に膨らむはずです」

このため、汚染地では今、除染ビジネスフィーバーが起きている。建設、土木、住宅業界はもちろん、造園業、清掃業、果ては便利屋などの代行業までもが公金投入で巨額の受注が見込める除染ビジネスに参入しているのだ。

計画的避難区域に指定され、全住民が村外へと避難している福島県飯舘村の20代男性村民が悲鳴を上げる。

「村役場はもちろん、村の年配住民も『除染して村に戻ろう!』と言うのですが、僕ら若い世代の意見はちょっと違う。村外に移り住みたいという声も少なくないんです。だけど、『まずは除染』の大合唱の前に、それがなかなか言い出せない。避難という言葉も『ネガティブだから使うな、保養と呼べ!』と怒られる始末です」

9月28日に飯舘村が発表した除染計画によると、2年後までに宅地、5年後までに農地、そして、20年後までに森林を除染する。その概算費用総額は3224億円。飯舘村の人口は約6000人だから、ひとり当たり5000万円以上にもなる計算だ。前出の20代飯舘村民がポツリとこう漏らす。

「飯舘村の75%は森林です。ということは、村の4分の3のエリアは20年後まで除染ができないということ。年配の人はそれでもいいかもしれないけど、僕らはこれから結婚して子供もつくるんです。すべての除染が完了しないまま18年も住むなんて怖すぎる。それよりも、ひとりにつき5000万円もらって、ほかの土地でやり直したいというのが本音です。彼女とふたりで1億円。新しい土地で再起するには十分すぎる金額です。だけど、その本音が言えない。『おまえは村を愛していないのか! ふるさと再生に協力しないのか!』と叱られるから……」

福島市渡利地区などの除染を支援する神戸大大学院の山内知也教授が同情する。

「除染が終わっていないのに、20年近くも汚染された土地に住めというのはあまりに酷(こく)です。除染で故郷を再生したいという人々の気持ちはよく理解できますが、健康被害の危険性を考えれば、いっそ移住したいという若い人たちの言い分ももっともです。行政は除染だけでなく、避難や移住という選択肢も用意すべきでしょう」

同じような住民の対立は福島第一原発から20km圏内にすっぽりと入る浪江町でも起きている。全町民の帰還を目指す町長に対し、商工会の若手メンバーは全町移転を唱える。

故郷再生のかけ声のもと、除染という巨大プロジェクトが利権化し、住民を放射線量の高い土地に縛りつけてしまうようなら、それは本末転倒だろう。国は避難と移住の自由も認めるべきだ。

(取材・文/姜 誠)

週プレNEWS 2011/11/11
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111111-00000301-playboyz-soci

2011年11月13日日曜日

APEC会場周辺で反経済格差デモ



APEC開催に合わせてホームレスが普段寝泊まりしている公園が閉鎖されたために、デモとなった。
ハワイ州やホノルル市はAPEC開催による恩恵を受けているのだろうが、市民は大迷惑している。
ハワイには、公共交通機関として鉄道が無いので、VIPを自負する要人が移動する度に道路を閉鎖されてしまい大渋滞が起こる。
そもそもAPECに参加している政治家に、命を狙われるような事をしている人が居るのだろうか?
一体何のための警備なのか、これでは本末転倒だ。

さんが 2011/11/13 に公開
アメリカ本土で始まった経済格差に抗議するデモがハワイのAPEC会場周辺でも行われ、およそ300人がデモ行進しました。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=2yEZUlY5XjI

“原発輸出”再開の愚

3.11東日本大震災後の東京電力福島第1原子力発電所の事故は経済のみならず、社会の風景を変えた。「原発安全神話」が崩壊して電力調達問題が喫緊の課題として浮上、折からの円高と合わせて産業の空洞化への懸念も広がる。再生可能エネルギーへのシフトは自明の理だが、既得権益の壁にぶつかり、新市場創造への道は険しい。対処能力を欠いた民主党政権は“霞ヶ関”の軍門にくだり、政治が迷走する中で、東北や首都圏の約4000万人の住民は爆発した原子炉から飛散した放射性物質に怯えながら暮らしている。日本人も企業も抜本的な思考や価値観の変革を求められている。未来を見据えながら、激変する経済社会のうねりをマネジメントの視点から論じる。

日本からベトナムへの原発輸出プロジェクトが再び動き始めた。

「ベトナムは日本による原子力発電技術の提供を熱望している」
「日本は世界最高水準の原発技術の提供を保証する」

10月31日、来日中だったベトナムのグエン・タン・ズン首相と野田佳彦首相が首脳会談後に共同コミュニケを発表。昨年秋に決定したものの、3月の福島原発事故で協議が中断していたプロジェクトに両国政府は正式にゴーサインを出した。

原発立地予定地は同国南部ニントアン省で100万キロワット級の原子炉2基を建設、事業規模は1兆円程度とされる。日本政府は事業への出資をはじめ、政府開発援助(ODA)を通じた技術者育成、国際協力銀行(JBIC)による融資なども検討、至れり尽くせりで支援する構えだ。

ベトナムだけではない。野田首相は政権発足後、インド、ヨルダン、トルコなどへの原発輸出協議を軒並み再開させつつある。原発メーカーの日本勢はもちろん、「政府の支援が大きい。引き続き売り込みなどをお願いしたい」(三菱重工業の大宮英明社長)と歓迎する。

「一度始めたら誰も止められなくなる。その挙げ句が巨額の財政負担に結びついた」
民主党が政権発足以来、鳴り物入りで進めた公共事業の「仕分け」で何度も繰り返された警句だ。これがそのまま、原発輸出にも当てはまりそうな気がしてならない。

政府は昨年、原発輸出を「新成長戦略」の柱に据え、経済産業省や外務省にインフラ海外展開の部隊を設置、政官民総動員体制で受注活動に力を注いできた。福島で「レベル7」の未曾有の事故を引き起こしても、いまだに原子炉内部の状況さえ把握できていない状況下でも、予算がつき、組織まで用意すればいまさら引き返せないということなのだろう。

日経ビジネス 2011年11月11日
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20111107/223672/?P=1

2011年11月11日金曜日

TPPは「国論を二分する」ほどの問題ではない

大前研一の「産業突然死」時代の人生論

環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加をめぐり、民主党でも自民党でも反対論が根強いのをはじめ、農業関係者や医療関係者が「大反対」を訴えている。あたかも「国論を二分するかのような騒ぎ」になっているが、なぜそんな騒動になっているのか、私には理解できない。今回はTPP問題について考えてみたい。

そもそもTPPとは何なのか

TPPの9カ国間交渉を主導する米通商代表部(USTR)のカーク代表は10月26日、「最終合意に向けた交渉は今後12カ月かける」との方針を明らかにした。また日本の参加については、「決断を待っている」と語った。

TPP交渉に参加するかどうかは、米国ハワイで11月12、13日に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までにその態度を決めなければならないとされる。野田佳彦首相はこれまで国会などの答弁で参加に積極的な姿勢を見せており、これに反発の声が強まっている。

しかし私は、「ちょっと待ってくれ」と言いたい。賛成論・反対論が入り乱れているが、TPPとはそもそも何なのか、誰も正確な定義をしていない。

米国が突然TPP参加に積極的になってきた背景には雇用問題を抱えたオバマ政権の選挙対策という側面があるが、それが具体的にどういうことを意味するのか、まだ対外的に説明できる状況にはないと思われる。

TPP交渉参加国のそれぞれの「ねらい」は?

一方の交渉参加国の側でもそれぞれにどんな思惑があるのか、日本は現時点で十分に理解しているとは思えない。「韓国、中国、インドなどが今後参加する」と予測する人もいるが、少なくとも今の時点では「様子見」を決め込んでいるようだ。

お隣の韓国では先月の李明博大統領の訪米で決着したかに見えた対米FTA(二国間自由貿易協定)の国会承認をめぐって大混乱に陥っており、李大統領も対米FTAについてハワイのAPECサミットまでに決着をつけていないと「合わせる顔がない」ということになる。

肝心の米国でも大統領に有利なTPPパッケージが出てくれば、“ねじれ議会”で共和党が反対にまわる可能性もある。要するに、いずれの国も今の段階では「どこまで真剣にやるのか」に関しては手探り、といった状況にあるように見える。

下にTPP交渉参加国の現時点における「ねらい」を一覧にしてみた。

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損得でもめるだけで戦略のない日本の「滑稽さ」

TPPは、農産物を含む全製品の関税を原則撤廃し、金融や医療サービスなどの非関税障壁を取り除き、自由貿易を行うための協定である。2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国で発効した経済連携協定がもとになっている。

そのシンガポールのねらいは「貿易ハブ機能の維持」「ASEANでの影響力」だ。また、日本の原発を輸入するベトナムは「中国依存からの脱却」だし、英連邦加盟国であるブルネイは「米国との関係維持」だ。その他の国々を見ても、それぞれ期待するところが違っていて、決して同じ理念の下に集まっているわけではない。

ただ一つ言えることは、他の参加国には少なからず自国に有利な戦略的なねらいがあることだ。それに対して日本は、「交渉参加が自分たちにとって損か、得か」のレベルでもめているように見える。何とも「滑稽」な話ではないか。少なくとも日本がTPPに参加する以上は「何を達成したいのか」を明確にする必要がある。

私にはそもそもTPPとは何なのか、かつての関税貿易一般協定(GATT)や世界貿易機関(WTO)の多国間協定ではできなかったことの何が可能になるのか、また経済連携協定(EPA)やFTAによる「二国間協定」ではできないことの何が可能になるのか、など分らないことだらけである。

ただ一つ明らかなのは菅直人前首相が米国訪問の際、オバマ大統領から突如言われて、急に浮上してきた実体不明の(先方にとっての)政治課題である、ということだ。

日本のTPP論議に説得性も論理性も見いだせない

米国側の窓口になっているのはUSTRというマイナーな役所である。これは今までの日米交渉でも米業界の利害丸出しの交渉をやってきた、お世辞にも上等とは言えない役所である。組織のしっかりとした国務省や商務省ではなく、USTRという役所の遺伝子を日本も少し研究した方がいい。

失業率がいつまで経っても改善しないために来年の大統領選挙がますます厳しくなっているオバマ大統領の刹那的な利害(米国内での雇用創出)を表に出してごり押しする可能性がかなり高い、と私は見ている。

それにしても日本の財界はおしなべて賛成意見を持っているようだ。私は今まで40年にもわたって経営コンサルタントとして企業のグローバル化を手伝ってきたが、貿易障壁があって経営戦略に支障を来した国はTPP交渉参加9カ国では一度もなかった。だから、これらの国とどんな障害をどのように取り除いていこうとしているのか、政府あるいは財界には明確に説明してもらいたい、と思っている。

一方の反対派の多くは「情緒に流されているだけ」のように見える。私が日本でのTPP論議を冷ややかな目で見ているのは、そこに損得以外のいかなる説得性も論理性も見いだせないからだ。

米国がねらうのは「雇用の拡大」だが……

貿易戦争においては得てして「ゼロサムゲーム」になる、と思われている。「米国の得は日本の損」ということである。しかし、それは消費者すなわち生活者から見れば得ということもあるわけで、誰の立場で何が問題なのかを賛成派・反対派の両サイドとも冷静に説明すべきだ。

良質な農産物が安く入ってくるのに対して、業界は反対と言うだろうが、消費者は賛成だろう。仮に、「それが安全なものでない」と言うのなら、日本政府が食品衛生法などに基づいて取り締まればいいだけの話だし、消費者が不安なら買わなければいいだけの話である。

つまり、交渉を始めたら最後、「奈落の底まで突き落とされるぞ!」という恐怖の物語はあまりにも主体性のない脅し、と映る。

「滑稽」と言えば、TPP交渉参加国である米国もそうだ。米国がTPPでねらうのは「対アジア輸出の拡大」「自由貿易圏の拡大」だ。もちろん「その心は?」と問えば、米国内での雇用拡大である。

しかし過去30年間、米国はこの手の貿易交渉の結果、貿易を拡大させたことがあったろうか? 雇用を増大させたことがあっただろうか? 私の記憶では一度もない。

日米繊維交渉とそのとき始まったバラまき

カーター大統領時代、米国は日本にピーナッツ輸入の自由化を迫った。当然、千葉県の落花生農家は猛反対したが、結局は米国に押し切られた。

しかし、それで米国から輸入したピーナッツによって、千葉県の落花生農家が壊滅状態になったかと言えば、そんなことはなかった。むしろ増えたのは中国からの輸入で、千葉県産の「八街(やちまた)の落花生」はトップブランドの地位を保っている。

そのピーナツ戦争の前には実に15年以上にわたる日米繊維交渉があった。1970年に日本側で交渉に当たったのは宮澤喜一通産大臣であったが、当時は沖縄返還に関する密約の有無などをめぐってもめにもめ、結局、佐藤・ニクソン会談でも決裂している。その1年後に就任した田中角栄首相が米側の要求を丸飲みするかたちで決着したが、この時、怒る繊維業界に総額2000億円近い救済融資を行うことでなだめている。このバラまきがその後の日本の伝統的なお家芸となった。

つまり、対外交渉の下手な政府は米国の言いなりとなるが、その被害者には税金で応分の負担をしましょう、というやり方を用いるのである。今回も野田首相は早速このお家芸を持ち出し、万一農家などに被害が及べば補償はしっかりやります、などと交渉の始まる前から「鎮静剤の散布」を提案している。

先頭を走る日本が叩かれ、気がつけば他国が台頭

記憶しておくべきことは、繊維に関して交渉があまりにも長引いたために、日本の繊維産業は韓国や台湾に流れ、やがてインドネシアや中国に立地するに及んで、1972年に交渉が最終決着する頃には肝心の日本の輸出競争力そのものが喪失していた、ということだ。

だから業界は補助金の「もらい得」となったかもしれないが、米国も交渉には勝利したが、国内産業の保護にはつながらなかった。その後、東アジアの繊維輸出国それぞれに対して、日本との交渉で見せたしつこさや粘りなどは消え失せ、衰退する米繊維産業自体が米国での政治力を失って、今では中国産の繊維製品の草刈り場となっている。

その後のテレビ、鉄鋼、自動車、半導体などの産業も同様で、先頭を走っていた日本だけがバッシイングされたというパターンの始まりは日米繊維交渉だったのである。

日本との交渉は政治的にうまみがある(雇用につながるかもしれないという期待がある)のでしっかりやるが、次の国が台頭してくる頃には米国側の当該産業界に強いロビー勢力が消えており、政治的に興味を失ってしまっている。こういうパターンはこの40年間、いっこうに変わっていない。

門戸開放までは熱心な米国

もう一つ面白い現象がある。米国が門戸開放をした市場に当初の予定通り、米国企業が「進軍してきた」ケースはほとんどない、ということである。

牛肉・オレンジも米国の圧力によって日本への輸入が自由化された。現在我々が「輸入牛肉」と聞いてイメージするのは、まずオーストラリア産のものである。米国の牛肉ではない。同様のことはオレンジでも、またサクランボでも言える。

半導体に至っては日米で合意した「日本の使用量の20%は輸入品とします」という約束に沿って(米国からではなく)韓国から輸入する羽目になった。

米国は軍・宇宙などの半導体が主力であるため、またインテル社やテキサス・インスツルメンツ社のように強いメーカーはすでに日本で生産していたため、日本が必要としている民生用の半導体を輸入することはできなかった。日本企業はやむを得ず韓国にノウハウを与えて無理に20%分の生産を委託し、「輸入実績」を作ろうとした。当時はこれが名案のように思われていたのだろうが、結局これが命取りとなって、世界最強を誇っていた日本の民生用半導体の主導権を韓国に奪われる悲惨な結果に終わっている。

市場開放を迫った米国もフォローを怠り、自国の製品が輸出できていないと文句を言わなかった。交渉の10年後には日本の半導体産業自体が瀕死の重傷を負って貿易摩擦にはかすりもしない、というくらい弱体化させられていた。

つまり米国は過去40年間、「輸入自由化を相手国に飲ませます。輸出の拡大によって米国の景気や雇用は改善します」と米国民に対して言い続けてきたが、結局のところは景気も雇用も改善したわけではなかった。

米国は貿易相手国に門戸を開かせるまでは熱心だが、その後は続かない。いつも「漁夫の利」を得るのは他の国なのだ。これを「滑稽」と言わずして、何と言おう。

大企業は好調だが、国内景気は悪い米国

こうした米国の問題は、「門戸を開く」役目を担うUSTRと「門戸開放後」を受け持つ米商務省の連携がうまくいっていないことに起因している。

もっと正確に言うと、商務省や国務省は「もはや相手国に貿易を自由化させたところで米国内の雇用や経済が改善するわけはない」と諦めているのだ。だから日本が落花生や牛肉、オレンジの輸入を解禁しても、それをフォローアップすることがない。

鉄鋼に至っては米国内のほとんどの製鉄メーカーが外資に買収され、今では米国政府に圧力をかける業界団体そのものがなくなっている。商務省はそのことを良く知っているのでUSTRと一緒に騒ぎ立てることに興味がないのだ。

オバマ大統領は就任以来、一貫して雇用の改善を訴え続けてきた。オバマノミックスで数百万人の雇用が生まれるはずであった。しかし3年経って予算だけは使ったが、いっこうに雇用は上向かない。道路建設などのケインズ政策では短期的な雇用は伸びるが、米国企業の競争力がつくわけではない。米国の政治家は国際競争の土俵が同じになれば、米国企業は本質的に競争力を持っているので輸出が増えるはずだ、と考えている。

しかし、これは19世紀の経済学者デイビット・リカードなどの頃の考え方で、21世紀の現在、競争力のある米国企業は世界に出かけていって生産し、販売している。米国から輸出しようなどと考えている米国の大企業は今ではほとんど残っていない。だからこそ、トップ500社の業績は好調で、国内の景気は悪い、という二極化が起っているのだ。

TPPでは米国の雇用も経済も改善しない

オバマ大統領は来年の大統領選挙戦に向けた最後の道具として、TPPを強力に推進しようとしている。40年にも及ぶ日本との貿易交渉を勉強・反省することなく、また自国の有力企業の意見を聞くこともなく、古びたリカードの道具を持ち出し、栓抜き(かつてUSTR代表を務めていたカーラ・ヒルズ女史の言葉)を使ってボトルを次々に開けていく。

そういう思惑で突如登場してきたのがTPPだと私は思っている。自分のイニシアチブでTPPが合意され、「米国に数百万の雇用が生まれることが期待できる!」と選挙期間中にワンフレーズ言えれば、彼は目的を達したことになる。

だが、仮に日本がTPPに参加して環太平洋で自由貿易圏が確立したとしても、米国の雇用も経済もほとんど改善することはないだろうと私は見ている。肝心の米国企業にその気がないからである。つまり、米国の強い企業は世界の最適地で生産し、魅力ある市場で勝負している。「米国国内に雇用を創出しよう」などと考えている殊勝なグローバル企業はない。だからこそ、この期に及んでも米国企業は好決算、米国の景気や雇用は停滞という対照的な状況になっているのである。

ところで、TPP交渉参加に強硬に反対している団体のひとつに日本医師会がある。日本医師会がまとめた「日本政府のTPP参加検討に対する問題提起―日本医師会の見解―」によれば、「医療レベルが低下する」「医療現場に市場原理が持ち込まれ、国民皆保険制度が崩壊する」といった内容を反対の根拠としているようだが、実は本音は別のところにあるのではないか。それは「外国人医師に市場を荒らされたくない」ということだろう。

医師会も農業団体も、もう少し冷静に

これもナンセンスな話だ。外国人の医師が働いている欧州連合(EU)は国家資格の相互認証が契約されている。スペインで国語の教師をやっていた人はドイツに行ってスペイン語の教師ができる。医師や弁護士も同様である。TPPが国家資格の相互認証まで踏み込むのかどうか、実は米国の事情を考えれば、あり得ない。

たとえば、医師の国家試験に関して、今回の交渉に熱心なチリの医師がスペイン系の多いカリフォルニアやフロリダで自由に開業できることを米国が許可するだろうか? 北米自由貿易協定(NAFTA)が発足して久しいが、カナダやメキシコの国家資格が米国で認められた、という話は聞かない。

米国が欲しいのは雇用であって「市場開放」ではない。ましてやEU並みの国家資格の相互認証など米国はまったく考えてもいないだろう。米国が考えてもいないことを想定して煙幕を張り、日本が世界に誇り、世界がまた日本をうらやむ「国民皆保険」を人質にとって「それが崩壊してもいいのか!」と脅す医師会も、もう少し冷静になってもいいのではないか?

日本に対して市場開放を迫る米国の農業も、オーストラリアと一本勝負すれば負ける。補助金のないオーストラリア農業は、補助金で支えられた米国農業よりも圧倒的に強いのだ。

今回の9カ国メンバーにオーストラリアが入っているということは、「例外」を設けるに違いないというヒントでもある。医師会も農業団体も、「リラックス!」と言いたいところだ。

ちなみに米国では、医師の5人に1人がインド人である。このインド人医師たちは、インド国内の医師免許のほかに、きちんと米国で医師免許を取得している。だから、日本でも同じようにすればいいだけの話だ。その国の法律に基づいて医師資格を取得し、その資格で仕事をするのなら誰にも責められるべきことではない。日本医師会の心配は「杞憂」と言っておこう。

反対派議員の顔に「票がほしい!」と書いてあるかのようだ

今後、TPP交渉で各国首脳が論議し始めると、おそらく彼らは「どうしてこんな低レベルのことを話し合わなくてはならないのだ」と愕然とするのではないか。つまりそれほど現状のTPPは曖昧なものであり、基本的な認識のすり合わせからスタートしなければならないのである。

したがって私は、「どうしてこの程度のものに対して大騒ぎで論争しなければならないのか」と不思議に思う。街頭に繰り出す議員たちの顔には、オバマ大統領と同じように「票が欲しい!」と書いてあるようで痛々しい。

私は過去40年間、日米貿易戦争ともいうべきものをつぶさに見てきた。相手国に門戸を開かせた後、米国がきちんとフォローして輸出を拡大した試しがないことをよくよく承知している。米国が開けた扉から入ってくるのは、いつも中国や韓国などの企業である。

日本が法外に高い関税を課しているコンニャクやコメなども安いに越したことはないが、それでも「販売価格が高いから」という理由で食べない、ということもない。

政治家があれだけ無理をして関税および非関税障壁を敷いて国内産業をガッチリ守ってくれているのだが、そういう産業はおしなべて衰退している。これまた日米共に同じ結果になっているという笑えない話である。

TPP交渉は実体が不明のまま推移するだろう

私の経験から言えることは、おそらく日米がTPPに参加したところで状況は何も大きく変わることはないだろう。日本は依然として巨大な政府債務を抱えたままだろうし、米国では雇用も経済も、そして世界市場しか見ない米国のグローバル企業の習性も、変わることはないだろう。

TPP交渉は実体が不明のまま推移するだろうし、米国でさえも選挙の結果によっては熱が冷めるかも知れない。つまり、「賞味期限のある政治テーマ」ということだ。

どちらにしても、わめき散らすほどの問題ではないし、国論を二分する価値があるテーマとも思えない。

BP net 大前研一の「産業突然死」時代の人生論 2011/11/07 (引用)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20111107/289750/?ST=business&P=1

中国鉄道事故より悪質な日本の事故隠蔽

科学ジャーナリスト
塩谷喜雄 Shioya Yoshio
Foresightコンテンツ
東京電力が撮影した被災4日後の福島第1原子力発電所3号機と4号機。
3号機(左手前)は水素爆発で原子炉建屋が吹き飛び、4号機(中央奥)は建屋の壁に大きな穴が開いている。

3号機と4号機の間からは白い煙が立ち上っている
=2011年3月15日午前7時33分[東京電力提供]【時事通信社】

中国高速鉄道の事故で、中国当局による報道規制を口をきわめて非難する日本のマスメディアは、おのが姿を鏡に映して見たことがあるのだろうか。

5カ月前に、日本で起こった原発事故――未だ8万人以上に避難生活という理不尽な不幸を強い、農畜産業と水産業に深刻なダメージを与えている空前の大事故、3.11。

その真実を、日本のメディアはどれほど伝えているのか。
法的責任を負うべき当事者、つまり検察がまっとうに機能すれば当然起訴の対象となるべき組織と人間が、恣意的に加工して発信する情報を、無批判に世の中に広めているだけではないのか。

結果として、責任企業と責任官庁による証拠隠滅を黙認してはいないか。

事故車両を地中に埋めた中国と、本質においてどこが違うのか。

公然と物的証拠を埋没させた中国当局に比べ、断片情報を意図的に連発して、巧妙に国民を真実から遠ざけている日本の方が、事態は深刻ではないか。

jiji.com 2011/11/11 (引用)
http://www.jiji.com/jc/v?p=foresight_7901

2011年11月10日木曜日

放射性物質はどのくらい放出された?

ノルウェーの研究チームにより、新たに福島第一原発事故で大気中に放出された放射性物質の総量が計算され、政府が6月に発表した推定放出量よりもずっと多いという報告があった。
Geoff Brumfiel
世界各地で観測された放射能データを組み合わせて大気中の放射性物質の量とその流れを推定した結果、福島第一原子力発電所の事故では、政府の推定よりもはるかに大量の放射性物質が放出されていたという研究が、Atmospheric Chemistry and Physics に発表された1。さらに、日本政府の主張とは裏腹に、4号機の使用済み核燃料プールから大量のセシウム137(半減期が長く、長期にわたって環境を汚染する物質)が放出されていたとも報告しており、もっと迅速に対応していれば、これほど大量の放射性物質が放出されずにすんだかもしれないと述べている。論文はオンライン掲載され、現在、公開査読を受けている。
研究チームを率いたのは、ノルウェー大気研究所(シェラー)の大気科学者 Andreas Stohlだ。Stohlは、自分たちの分析は、これまで行われてきた福島第一原発から放出された放射性物質の量についての調査研究の中で、最も包括的なものであると自負している。スウェーデン防衛研究所(ストックホルム)の大気モデル作成の専門家 Lars-Erik De Geerは、今回の研究には関与していないが、「非常に価値のある成果です」と評価している。
原発事故による放射性物質の放出過程の再現は、日本国内をはじめ世界各地にある数十か所の放射性核種モニタリングステーションで観測されたデータに基づいて行われた。その多くは、包括的核実験禁止条約機構(オーストリア:ウィーン)が核実験の監視のために運用している世界規模での観測ネットワークに属する。このデータに、カナダ、日本、ヨーロッパの独立観測ステーションのデータも付け加え、これらをヨーロッパと米国が保管している広域気象データと組み合わせた。
ただし、Stohl は、自分たちが作成したモデルは完全にはほど遠いものだとして注意を促している。原発事故発生直後の測定データが非常に少ないうえ、一部のモニタリングポストは放射能汚染がひどく、信頼できるデータが得られなかったからである。より重要なのは、原子炉から何が放出されたのかを知るためには、原子炉内で何が起きたのかを厳密に知らなければならないのだが、いまだ明らかになっておらず、永久に謎のままかもしれないという事実である。「チェルノブイリ事故から25年後もたった今でも、その推定値は不確かな部分が非常に多いのです」と Stohl は言う。
それでも、今回の研究は、福島第一原発事故を全般的に調査したものであり、De Geer は、「Stohl らは真に地球規模の視点から、現在入手できるかぎりのデータを利用して推定しています」と話す。

政府の発表

3月11日の地震後に原発で起こった出来事については、すでに日本の研究者たちが詳細な経緯を推定している。福島第一原発電の6機の原子炉が激しい揺れに見舞われた50分後、巨大津波が襲来し、緊急時に原子炉を冷却するための非常用ディーゼル発電機が破壊された。それから数日の間に、地震発生時に稼働していた3機の原子炉が過熱して水素ガスを発生し、次々に水素爆発を起こした。定期点検のために停止していた4号機では、核燃料は使用済み核燃料プールに貯蔵されていたが、3月14日にこのプールが過熱し、おそらく数日にわたり建屋内で火災が発生した。
一方で、原発から放出された放射性物質の量の解明は、事故の経過の再現に比べてはるかに難しい。政府が6月に発表した『原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書 ―東京電力福島原子力発電所の事故について―』では、今回の事故により放出されたセシウム137は1.5×1016ベクレル(Bq)、キセノン133は1.1×1019Bqと推定している2。セシウム137は半減期30年の放射性核種で、原発事故による長期的汚染のほとんどの原因となっている。一方、キセノン133はウラン235の崩壊によって放出される半減期約5日の放射性核種であり、原発事故や核実験の際、初期に観測される。
ところが、Stohl らが原発事故の再現結果に基づいて推定した放出キセノン133の量は1.7×1019Bq、セシウム137の量は3.5×1016 Bqで、政府の見積もりよりキセノンが約1.5倍、セシウムが約2倍となった。
キセノン133の放出量は、チェルノブイリの総放出量1.4×1019Bqよりも多いことになる。だが、De Geer によれば、チェルノブイリでは爆発した原子炉が1機であったのに対して、福島の事故では3機も水素爆発したことで説明できるという。また、キセノン133は生体や環境に吸収されないため、健康に深刻な影響を及ぼすおそれはない。 問題なのは、数十年にわたり環境に残存するセシウム137だ。Stohl らのモデルの値は、チェルノブイリ事故での放出量の約1/2に相当する。De Geer は、このような高い値が出たことを懸念している。今後、セシウム137が人々の健康に及ぼす影響を明らかにするためには、現在行われている地表での測定を進めていくしかない。
Stohl は、自分たちの推定値が政府の発表と食い違いっているのは、今回の調査ではより多くのデータを使用したことが原因の1つであるという。政府の推定の基礎となったデータは、主として日本国内のモニタリングポストによるものであり3、風に乗って太平洋を越え、北米やヨーロッパに到達した膨大な量の放射性物質は考慮されていないのだ。神戸大学の放射線物理学者で、福島周辺の土壌汚染を測定している山内知也(やまうちともや)は、「事故の本当の規模と特徴を明らかにするためには、太平洋上に出ていった放射性物質も検討する必要があります」と言う。
Stohl は、政府の依頼を受けて公式な推定値を出した研究チームを非難しているのではない。むしろ、「できるだけ早く結果を出す必要があったのでしょう」と慮っている。群馬大学の火山学者で、自らも原発事故のモデルを作成した早川由紀夫(はやかわゆきお)は、「確かにこの数値だけを見れば、両者は大きく違うでしょう。けれども、どちらのモデルにもまだまだ不確実な要素があり、実際には2つの推定は非常に近いのかもしれませんね」と言う。
原発事故の経過
原発事故の経過 | 拡大する
さらに、Stohl らは、4号機の使用済み核燃料プールに貯蔵されていた核燃料が、莫大な量のセシウム137を放出していた可能性を指摘している。政府はこれまで、プールからは放射性物質はほとんど漏れ出していないと主張してきた。しかし、研究チームのモデルでは、プールへの放水をきっかけに原発からのセシウム137の放出が激減したことが、はっきり示されている(図「原発事故の経過」参照)。つまり、もっと早い段階から4号機プールへの放水を行っていれば、放射性物質の放出をもっと抑制できたかもしれないのだ。
しかし、政府は、使用済み核燃料プール自体に大きな損傷はなく、使用済み核燃料が重大な汚染源になったとは考えられないと主張している。政府による公式推定値の算出にかかわった日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)の茅野政道(ちのまさみち)は、「4号機から放出された放射性物質は多くはなかったと思います」と言う。だが De Geer は、核燃料プールの関与を含めた今回の新しい分析は、「説得力があるように見えます」と語る。

さらに今回の分析は、もう1つ新たなデータを提示している。地震の直後、津波が福島第一原発に襲いかかる前から、キセノン133が漏れ始めていたというのだ。つまり、原発は、津波が襲来する前から、地震によって損傷していたことになる。政府の報告書でも、福島第一原発電を襲った揺れの大きさが、原発設計時に想定されていた揺れを上回っていたことを認めている。反原発の活動家は、以前から、政府が原発を認可する際に地質学的な危険を十分に考慮していないと主張しており(Nature 448, 392-393; 2007)、今回のキセノンの大量放出は、原発の安全性についての評価方法の再考を促すことになるかもしれないと、山内は言う。
放射性物質の拡散
放射性物質の拡散 | 拡大する
この事故で、首都圏はどうだったのか。実は、原発事故により甚大な被害を受けるおそれがあった。事故直後の数日間は、風は海に向かって吹いていたが、3月14日の午後、風向きが変わって陸に向かって吹き始め、セシウム137が東北南部から中部地方にまで広がっていった(図「放射性物質の拡散」参照)。実際、15日夜から16日未明にかけて雨が降った栃木県と群馬県の山間部では、のちに土壌から比較的高濃度の放射性物質が検出された。一方、首都圏では、そうした高濃度の放射性物質が上空を通過したときに、たまたま雨が降らなかったことが幸いした。「この時期に雨が降っていたら、東京も今よりずっと深刻な事態になっていたかもしれません」と Stohl は言う。(編集部註:ただし、(独)国立環境研究所の空間線量測定とシミュレーションによれば、21日から22日にかけても放射性物質が南関東に流れ込んだことが示されている。このときは、雨が降っていたため、南関東でも一部の地域で比較的高い線量が観測されていると思われる。)
(翻訳:三枝小夜子)

natureasia.com 2011年10月27日号 (引用)
http://www.natureasia.com/japan/nature/specials/earthquake/nature_news_102711.php

国の借金、過去最高の954兆円

 財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合わせた国の借金が9月末で954兆4180億円となり、過去最高を更新したと発表した。

 前回発表の6月末時点から10兆6084億円増えた。8月4日に実施した約4兆5千億円の為替市場介入の資金を確保するため、短期証券の一種である外国為替資金証券を発行したことも影響した。

 国民1人当たり約756万円の借金を負っている計算。政府は2011年度末には借金が初めて1千兆円を超えるとの見込みを国会に提出しており、財政悪化に歯止めはかかっていない。

(共同)

中日新聞 2011年11月10日 (引用)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011111001000570.html

2011年11月2日水曜日

【原発】福島第一原発2号機で「核分裂」の可能性(11/11/02)



ANNnewsCH さんが 2011/11/01 にアップロード
http://www.youtube.com/watch?v=tlS4Gy-f8-A&feature=player_detailpage

核分裂が起きている恐れもあります。福島第一原発2号機から核分裂でできる放射性物質「キセノン」133と135が検出され、東京電力は、反応を抑える効果のあるホウ酸水­の注入を始めました。キセノンの半減期は133が5日、135が9.2時間と短いことから、比較的最近に核分裂反応が起きている可能性があります。

・・・記事の続き、その他のニュースはコチラから!
[テレ朝news]
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/

Radiation Causing Unusual Changes: What's Happening to Children Now? (July 14, 2011)



福島の子供たちに起きていること。
たくさんの異常、やがて甲状腺ガンに。

tokyobrowntabby さんが 2011/10/20 にアップロード
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=e_O2j_f43P4

2011年11月1日火曜日

アメリカ女性兵【放射能=ガンだけじゃない】10年後の日本?ぶらぶら病



genpatsumov さんが 2011/04/28 にアップロード
1・広島・長崎の被爆者を苦しめて来た「ぶらぶら病」と、2・原発労働者の倦怠感、3・アメリカ兵の湾岸戦争症候群。この3つは症状が極めて似ています。3つに共通するの­は低線量放射線の内部被曝、です。

1・ぶらぶら病
【肥田舜太郎】低線量被曝とぶらぶら病4【1ミリシーベルトでも危険】
http://www.youtube.com/watch?v=G5qq4CJxBRc
肥田舜太郎医師は、自身も被爆し、被爆者を何万人も診療して来た94歳のお医者さまです。

2・原発労働者
隠された被曝~日本の原発労働者1
http://www.youtube.com/watch?v=92fP58sMYus

3・湾岸戦争症候群
放射能=ガンだけじゃない【福島原発】日本でも??アメリカ兵ぶらぶら病 (この動画)
http://www.youtube.com/watch?v=oX9oPFsNybE

◎以下のことを拡散してください。「放射線起因の癌は自然発生よりも悪性度が高い」。ぶらぶら病にしても放射線起因のガンにしても、「治ってから数年してから再発すること­が良くある」。一度、自覚症状がでたら、生涯、注意して検査などを定期的に行う必要が最大の防護につながります。家庭崩壊や自殺など、ともかく追い込まれる人が多いので、­周りの人も社会もそのことを理解して、原発症(放射能症)の人を支えていく必要があるのではないでしょうか?
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu_mov/22001229

■今後、日本でこの病気が問題になるかも知れない
福島原発事故を受け、今後、日本でも1~2年後とか10年後などに、こうした症状を訴える人が徐々に現れて来る可能性があります。(線量が多くても平気な人、少なくても症­状が出る人がいます)

こうした病気の知識は、予め知っておき、ネットワーク作りや、心の準備をしておいた方が良いでしょう。医療関係者も「ぶらぶら病」という言葉を、どうぞ頭の片隅に入れてお­いて下さい。

■広島・長崎の被爆者とアメリカ帰還兵が同じ症状=放射能が原因か?
このメリッサの場合、幸い「ぶらぶら病」としては症状が軽いようですが、しかし、このようにアメリカ兵と広島・長崎の被爆者で、同じような謎の症状に悩む人が大勢いるそう­です。

この帰還兵の原因不明の症状、これは湾岸戦争症候群と呼ばれ、劣化ウラン弾の「放射能が原因」とされています。何故なら、広島・長崎の「入市被爆者」のように直爆にあって­いないのに、あとから原因不明の病気に悩まされる「ぶらぶら病」の患者の主訴と驚くほど似通っているため、「低線量放射線の障害」が原因と考えることが自然だからです。(­原因不明で慢性的な著しい倦怠感が特徴。他にも下痢や痛みなど。アザ、下血、鼻血なども兆候です)

■じわじわと顕れる症状
イラク兵、米兵は、劣化ウラン弾の危険を知らされずに戦いました。帰還して1~2年すると、原因不明の倦怠感に襲われます。資料が少ないのでハッキリしませんが、兵士の個­人差により症状は色々あるのではないかと予想されます。

また、イラクでは、湾岸戦争から数年経った時から今日まで、子供たちや一般市民に放射能が原因としか考えられない白血病その他が多発しています。

こうした米兵やイラクの人々の健康被害を米国政府は隠蔽しているようなのです。
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■本動画は、映画「ヒバクシャ」非公式予告編です。

■兵士というもの
気丈なメリッサの、心の底にしまった悲しみをご覧下さい。
1995年あたりにたくさんの帰還兵達が自殺をしたということです。
なぜなら、病名が判らないから。医者にも判らない。つまり治療ができない。でも痛い、ものすごく痛い。あとはドラッグ→鬱→自殺......。
メリッサの友人も自殺してしまった。彼女も自殺をしてしまったそうですが、病院に運ばれて助かる。両親も病院に駆けつけたけれど、「恥知らずめっ!」「医療費なんか払わな­い!」と、勘当されてしまう。

本当にこの犠牲や献身は必要なことだったのか。

■『もうひとつの核なき世界』堤未果著 (小学館・2010年)で検索してみてください。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=oX9oPFsNybE